局所多汗症は身体の特定の部分に過剰に汗をかくもので、主な対象部位は手、脇、足、頭部(顔面のみを含む)、および全身となっています。

手のひらに汗を過剰にかく疾患は手掌多汗症と呼ばれ、人口のおよそ5%に見られるといわれています。手汗は他の部位の汗より気付く年齢が早く、幼少期から意識をし始める方が多いです。手汗をかく方は足汗もかく方が多く、掌蹠多汗症(しょうせきたかんしょう)といいます。基礎疾患とは関係がなく、睡眠中には汗はとまります。
握手や物の手渡し時に相手に不快に思われる、文字を書く際に紙が濡れてにじんだり破ける、スマホ/楽器/裁縫道具が壊れる(錆びる)、指紋認証が動作しない、ボーリングの球が握れない、など、さまざまなシチュエーションで支障を感じます。

足の裏に汗を過剰にかく疾患は足蹠多汗症と呼ばれ、人口のおよそ2~3%に見られるといわれています。発症時期は通常小児期または青年期で、基礎疾患とは関係がなく、両足に等しく汗をかきます。睡眠中には汗はとまります。
汗で滑るために裸足で歩くときに転倒の危険性があり、靴下の替えが必要となったり、靴が傷みやすかったり、臭いの問題を抱えることがあります。

脇に汗を過剰にかく疾患は腋窩多汗症と呼ばれ、人口のおよそ5%に見られるといわれています。発症時期は通常小児期または青年期で、基礎疾患とは関係がなく、両脇に等しく汗をかきます。腋臭とは仕組みが異なり通常無臭です。着替えが必要となったり、衣類の汗染みに恥ずかしさを感じたりします。

頭部

頭部に汗を過剰にかく疾患は頭部顔面多汗症と呼ばれます。手足や脇のように衣類や伏せたりして隠すことができず、人と話したり視線を感じることで流れる汗をかくことから、精神的な要因も加わり苦痛を感じます。
辛い物やすっぱいものを食べた際に顔からかく汗は味覚性発汗と呼ばれるのですが、病態が異なるので頭部多汗症とは区別されます。

全身

体の部位にとらわれず全身に汗をかく全身性多汗症は、衣服が常に濡れている状態のため風邪をひきやすく、1日に何度も着替えが必要となるので外出も大変です。
他の病気や薬などの影響で起きる続発性多汗症の可能性もあるので、正しく診断できる皮膚科医に受診することが重要となります。

その他(代償性発汗)

有名なところではETS手術などをした後に副作用として発症します。治療前と比較して汗の総量が著しく増え、一般生活に支障が起きることもあります。